レイキ(霊気)やヒーリング等のスピリチュアル系の詐欺師とその被害者について ②巧みな話術

①では、洗脳におけるプロセスを簡単に説明いたしました。

今回は詐欺師達の巧みな話術についてお話します。


霊感商法でよく使用される話術のひとつとして「コールド・リーディング」という手法があります。これは、被害者(偽カウンセリングを受けている者)の様子を注意深く観察し、何気ない会話を交わしていく中で、相手の事を言い当てて、いかにも「自分はあなたのことを本当に良く理解している」というように振る舞ってみせる行為です。


コールド・リーディングは、霊感商法以外の詐欺師や占い師、霊能力者や霊視者にもよく用いられる手法で、コールドリーダーは相手に対しての事前情報(出生や家族構成、友人関係、仕事関係等)が全く無い状態でも、相手を注意深く観察する技術や、巧妙な話術によっていくらでも相手の情報を取得する事ができるのです。

※「コールド・リーディング」は、警察の尋問や営業、正式なセラピストやカウンセラーなどもしばしば使用する手法であり、この技術自体に悪意があるという訳ではありません。


では、ここからは霊感商法による巧みな話術について、具体例を上げて紹介していきます。


(1)被害者との会話の中で、敢えて被害者が求めている方向と全く逆の事を言う

人は、自分が考えていることと全く正反対の事を言われると、新鮮味があります。

被害者が、ある問題に対してずっと「A」という答えを出してきたとします。それを自信満々で詐欺師から「実はずっとBが正解だったのです」などと言われると、自分に自信がなく現状に不安や疑問を持っている被害者からしてみれば、それは正に眼から鱗の解答となり「この人は本当の自分の事を理解してくれている、信頼できる人だ」と思ってしまいます。


(2)後悔をさせる

人生において「あの時ああしていれば」と思うことが誰にでも一つ位はあるものです。詐欺師達はこの部分を利用して、被害者のこれまでの人生がいかに間違ったものだったかを説き、被害者にこれまでの人生の選択や行動を強く悔やませるようにします。

そして「私達ならこれからのあなたを救済できます」などと言い、あたかも自分達ならば救いの手を差し伸べられる、というような事を言ってくるのです。


(3)卑下する

被害者の様子をくまなく観察している詐欺師は、少しの時間で、相手の弱点を理解する観察力を持っております。その部分を指摘し、時には相手が泣いてしまうほど酷い言葉を掛けて、被害者の傷をえぐり、貶めます。


(4)不自然なほど相手を賞賛して隙を与える

大抵の詐欺師は(2)と(3)の過程を経た上で、今度は相手の気持ちを高ぶらせることを言ってきます。

被害者は、何かしらの問題を心の中に抱えて、カウンセラーやヒーラーの元へ足を運んで来ます。自分の意見や行動に自信が持てず、迷っている人が大半です。そういった方々が、詐欺師から「あなたはとても素敵な人なのに、周りがそれを認めてくれないのですね」「あなたは才能を持っているが故に周囲から敬遠されているだけ」「あなたは本当はできる人、私は解っています」等、被害者が欲する言葉を巧みに並べたてます。

そうすると、自信が無かった自分の事を認めてもらえる言葉や褒め言葉を沢山与えてもらえた事で、被害者は気分が良くなり「自分を気持ちよくしてくれるこの人を信じたい、この人と共に居たい」などと思うようになってしまいます。


(5)励まし、奮い立たせる

(2)(3)で相手を陥れて(4)で持ち上げたら、詐欺師は洗脳の仕上げに入ります。

「私はこれまで述べたようにあなたの全てをあなた以上に理解しているのです」

「私はあなたの悪い部分も弱い部分も全て受け入れます」

「あなたが悪なのではありません。あなたの環境が悪だっただけなのです」

「あなたは果敢な人です」

「これまでのあなたは全て捨ててください」

「あなたは今が目覚めの時なのです」

こういった言葉で、相手の気持ちを盛り上げ、奮い立たせ、純粋な気持ちで救いを求めてきた人達に詐欺まがいの「ヒーリング」や「レイキ」による治療を勧めていくのです。

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